大彦が150年間守り続けてきたこと
■「ん?うち、なんか違う??」
そんな環境だったので、自分の家と友達の家の違いがよく分かってきます。
家で居てたって必ず大工さんや職人さんが居るし(大変有難い事なんですがね)、自分の部屋でマンガを読んでたって作業場から木を削る音がずっとしてる。
さらに、学校から帰って遊びに行こうとするとその前にお父ちゃんにつかまって、現場の大工さんへジュースやアイスなどの差し入れをもってたり、連絡を伝えに行ったりの「おつかい」を頼まれたりします(あまり「勉強しろ」とは言われなかったですが、(笑))
だから、いつ誰からお手伝い言われるか?とひとつもゆっくりしない(笑)
お父さんがお勤めされている友達の家に行くと、お家には優しそうなお母さんや兄弟が居てるだけ。
静かだし、いきなりアチコチからお手伝い・おつかいを言われる様な事もないし、「何て素晴らしい環境なんだ!」と、心底憧れたものです(笑)
しかし、将来家づくり業に携わる者としては、逆に僕こそが「何て素晴らしい環境なんだ!」だったのです。
- 家づくり現場や大工・職人さんが身近にいて、意識するまでもなく見て肌で感じる。
- 素晴らしい建築空間に何の意識もせず身を置いて、感じる。
- 風情の良い・素晴らしい材料、木・土・石・紙などが常に隣にあって、触れられる。
今設計という仕事をしていると、その頃の原風景というか、それらと一緒に育ったその肌感覚が、どれほど自分に役立っているか。本当によく分かるのです。