和の落ち着いた暮らしと長欄間のお家【和歌山市】2017年
和歌山市西浜の閑静な住宅街の中に建つご夫婦とお子様3人の37坪のお家です。
H様は「和」がとってもお好き。リビングにもソファを置かず、直接床に座る「座の暮らし」をご希望であったことにより、ダイニングとリビング代わりの「タタミの茶の間」、そしてそこにつながる「和室」を設けました。
「茶の間」と「和室」は、フスマで仕切られただけのつながった空間。いわゆる「続きの和室」と呼ばれる、今やほとんど新しいお家では見なくなった伝統的なスタイルです。しかし、フスマを開け放つと、茶の間と和室はもちろん、ダイニングやキッチンもつながり、昔の民家のように全てが一間につながる、とても広々として楽しい空間となりました。
また、ご夫婦ともとてもお忙しく働いておられる中、お子様が3人いらっしゃいますから、便利で動きやすい家事動線と必要な場所にきっちりと収納を確保することにも注意しました。
具体的には、職場や学校から帰ってきて、荷物を片付けて→着替えて→ダイニングや茶の間、キッチンへとスムーズに動いていけること、そしてその際、荷物を適切な場所にきちんと片付けていけることに注力しました。
玄関の式台や瓦・木格子・塗り壁・濡れ縁に始まり、玄関ポーチの錆丸太や和室の長欄間など、普段より和風情が強くなるように細部まで設計したこのお家は、和の魅力を改めて感じさせてくれるお仕事でありました。誠にありがとうございました。