新築施工事例

杜の近くの小さなお家【岩出市】2021年

お家のご相談をいただき、土地探しを初めて約5年。ようやく出会えた近くの神社の緑が素晴らしく、明るく晴れやかな小さな分譲地に建つのが、30代ご夫婦と小さなお子様2人の約30坪のお家。

▲玄関から広間を通して杜の緑をのぞむ。存在感を感じさせないガラス壁、薄く削いだ下駄箱の天板、ディテールにこだわる。

お家でデザインのお仕事をなさる奥様は、家事育児と大変な中、在宅で仕事を重ねていかねばなりません。育児をしながらの仕事は難しいかもしれませんが、畳の間(茶の間)で寝かせながら、畳の間に隣接した仕事場・書斎でその様子を見ながら仕事をする。少し大きくなってきたら、茶の間や広間で遊ばせながら仕事をする。そんな育児と仕事がまるっと一体になった暮らしやすさ、またご主人様奥様の元々のお好みもあって、畳リビング+座卓テーブルの、床にゴロっと直な「座の暮らし」をデザインしています。

▲広間から茶の間と庭を見る。椅子に座らない「座のくらし」。

▲茶の間より広間を。左奥はキッチン。右奥は階段。

▲茶の間の奥の仕事場より。茶の間の様子がよく分かる配置。

この敷地を気持ちよくしているのは、なんといっても神社の緑です。地域をずっとお守りになってきたお力と優しさを感じさせるボリューム感のある緑を、失礼のないように眺めさせていただくことがこのお家の「ここちよさ」にも直結し、プランの中心となり、そこから家事動線・仕事場書斎と広間茶の間との関係などを整理していくことで、お家は出来ていきました。

▲茶の間・広間は、神社の杜に対して開いています。

また、お仕事もあってデザインに造詣の深いY様。それは、素材の質感や、細部の納まり(ディティール)へのこだわりに活かされていて、設計担当の福井も一緒に楽しんで考えて出来上がった部分がたくさん見られます。

▲お茶室のような設えの茶の間床の間。縁のないフスマ、赤松の床柱、床の間バックスリット障子。こだわりが詰まっています。

▲ステンレスと木の造り付けキッチン。ステンレスの素材感・シャープさにこだわった仕上げ。

▲優しく広間に導くように最後を少し「ふった」階段。

特に、外壁の左官壁。いつも弊社が採用する「カキ落としオリジナル左官壁」は、「下塗り~中塗り~仕上げ塗り」と3工程あるのですが、下塗り段階のモルタルのグレー色をお客様が気に入り、その色で仕上げ塗を塗ったという面白いパターンです。

このようにY様のこだわりがたくさん詰まった、まさにY様らしいお家が出来上がったと思います。これからお子様が成長するとともに、使い方の変化もあるとは思いますが、まさに優しいY様ご夫妻のように、十二分にそれに対応できる寛容さと魅力のあるお家です。

外観

初めてお会いしてから5年以上ですから、お子様が生まれる前から知っているわけで、またいつも笑顔でこちらを気遣っていただくY様に甘えて、私たちも随分と心安くさせてもらいました。

ありがとうございます。これからも長いお付き合いのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。(設計.福井)

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