新築施工事例

街中でここちよく暮らすお家【和歌山市】2023年

和歌山市の文教地区、古くからの住宅街に建つ、30代ご夫婦と小さなお子様お二人が暮らす35坪の街中のお住まいです。おじい様の代から3代に渡って可愛がっていただいておりますお得意様のお家の建て替えです。

▲リビングより西、ダイニングとキッチン方向を見る。奥左手が和室

前面道路も狭い中、40坪の敷地の中に駐車スペースを2台とり、小さなお庭を確保しながら、子育てしやすい、家事をしやすいことを大命題に、暮らしやすい・ここちよいお家を造りこんでいきました。

▲リビング北東。正面はテレビカウンター。左は勉強デスクカウンター。正面の戸の向こうは玄関

敷地の大きさ、前面道路の狭さと周囲の建て込んでいる状況を考えるに、外に対して大きな窓で開くことは難しい。だから、外に対して基本的には閉じながらも、光を上手く室内に導き、開ける部分に小さなお庭をとって、開放感を出すことが課題でありました。

▲リビングより南の和室を見る。和室とはリビングダイニングは引戸で仕切ることができます。

具体的には、木塀で囲まれた小さな庭に面する和室の南の窓のみ大きくして、ここで開放感を取りながら、他のリビングダイニングの窓は高い位置にある「高窓=ハイサイドライト」のみとし、外からの視線は切りながら、光を室内に導いています。

ダイニング横の和室は小さなお子様の遊び場やお昼寝場所、また便利な家事スペースにもなるとともに、障子で個室とすることもできるため、ここの開け閉めで外とのつながりを調整できる所おもしろい仕掛けとなっています。

▲キッチン前のカウンター収納

また、お二人共お仕事にお忙しい中(夜勤もあられる)の子育てや家事ですから、帰宅してからの炊事、洗濯、物干し、片付け、などの動線をしっかりと考え、どこで何をするか?どこに何が収納できていれば良いか?を今の生活スタイルと理想を考え合せ、打合せを繰り返して間取りが出来ていきました。

▲キッチンダイニングバックの造り付け収納

そんな収納の中で、このお家でまず目に飛び込んでくるのが、キッチンとダイニングの大きな造り付け収納。キッチンとリビングダイニングの色々な物をまとめてしまえる収納力だけでなく、ハイサイドライトと揃えて、そのままデザインになっているのが特徴です。収納が実用的ばかりでなく、そのままデザインのポイントとなって楽しくなるように、デザインにこだわりのあられるお客様のご希望をしっかりとお伺いて設計しています。

▲キッチン奥の脱衣室よりウォークインクロゼットを見る。さらに奥が洗面スペース
▲反対にウォークインクロゼットより脱衣室を見る。脱衣場には洗濯流しも

動線的には、玄関から洗面コーナー→ウォークインクロゼット→家事室や物干しも兼ねている脱衣室→キッチン→リビング→玄関と、ぐるっと回れる便利な回遊性を確保しています。また、脱衣室で干したものを隣のウォークインクローゼットにも片付けられるようにもなっていて、キッチン廻りで全て家事が片付くようにと考えています。

▲洗面コーナー。玄関とつながっています。こだわりのタイルがきれいですね。

また、インテリアのタイルや左官壁、所々に配された一枚板の木、照明など、忙しい毎日の中にほっと一息を入れてくれる好きな物に囲まれた楽しい暮らしにも留意しました。

▲玄関のアイアンハンドル。お客様のご希望よりオーダーメイドで製作しました。
▲玄関。式台は楠の一枚板。土間は南部砂利洗い出し仕上げ。

こちらのお客様には代々可愛がっていただいているのは先にも述べました。私自身もN様のおじい様もおばあ様も知っておりますし、反対にN様ご一族は弊社の4代目からご存じです。打合せ時によく会わせていただいた小さなお子様や赤ちゃんを見ると、また私の下の代も可愛いがっていただければとも思いました。

何か不思議なご縁も感じますが、これが地域で生きる工務店の理想の姿であると思います。一生懸命真摯な仕事をして、お客様のご期待にお応えし、地域の皆様に生かしていただく。建てさせていただいたお家を永く守りながら、災害時には社会インフラの一つともなりなる。決して派手さはありませんが、大切なお仕事です。 ずっと続けさせていただいている有難さを改めて思い返す貴重な機会でありました。

N様(お母様も)本当にありがとうございます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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