野上のブログ

「だん」をつけるのよ。(軒先、すっきしりした木の家、ガルバリウム屋根)

お盆前から少し暑さがやわらいで「おっ、こりゃ現場も良いな」と思ってたら、お盆明けからすっかり猛暑もどっちゃいましたね。これならお盆中働いて、お盆明けからお休みした方が現場はよかったですよ。

そんな暑い暑い現場は、大工さん職人さんの頑張りのおかげで進んでおります。

和歌山市中心部のS様家。

随分と前に屋根の先端の話を少ししたような気もしますが、それの形が見えてまいりました。

こんな感じ。

そうそう、そもそも屋根の裏側で外に見える部分(「軒裏」とか「軒天」とか呼びます)は、弊社の場合普通、

このように、屋根を形作る、タルキと野地板を見せちゃう「化粧野地」という形。そのため雨に強い綺麗な木を選別し、大工さんたちがカンナで削るのですが、

先ほどの写真はこの形じゃないですよね。

これは、

①デザイン(お客様のお好みなど)でする場合と

②街中で防火の厳しい制限がかかって軒裏に木が見せれない場合(特殊なことをすると木でも仕上げられるのですが、これはまた今度)

とがあります。

今回は②だから、軒裏もグレーに塗られてますよ(左官塗。壁はまだ仕上がっておりません)

ただ、この場合の一つの欠点は、屋根の先端がごつく(厚く)なるのです。屋根の端部はシャープに納めた方が軽やかな印象になりますから、ここには色々な工夫があるんです。(もしくは全体のデザインとしてあえてそのままごつく見せることもあります)

今回、設計担当の岡田さんが一生懸命考えてやった手法が

これ。

屋根材を端部まで折り曲げた&軒裏の左官塗を塗り上げたパターン。

どちらかの材料だけで仕上げると、ちょっとのっぺりしてしまうのですが、途中で仕上げを切り替えることによって、「だん」がつき、シャープなイメージを保っています。

「だん」といえば、そもそも上の屋根から同材料で端部に折り下げた金属板の部分でもうすでに3段つけています。(左官部とでもだんがついているから、計4段)

この「だん」をつけるのを「影」をつけるなどとも言いまして、これは端部をスッキリ見せる鉄則の一つなのです。

とにかく「だん」をつける。これ、結構大事です。

けれど、うちの屋根屋さんのように、腕が良くなければ、だんをつけていくところで粗が目立ち、全然スッキリ見えませんので要注意。

もう一回見ていただくと、ホントに角もぴたっとビシッと納まっているでしょ。紙折ってるわけじゃないですからね。たいしたものです。私ですと、紙折っても危ないですからね。

良い建物には良い職人さん。必須ですねぇ。


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