いよいよです!(手刻み、墨付け手刻み、棟上げ)

先月から弊社の作業場で大工の金子君が格闘していたS様家の柱や梁の加工工事もようやく昨日で終了。今日からは来週初めの「棟上げ=上棟」へ向けて現場の最終工事が進みます。
上の写真で金子君が行っている作業は「墨付け=すみつけ」と呼ばれるもの。
柱や梁の接合部や梁と梁を継ぐ部分が、かっちりとしっかりと組み合わされるように複雑な凸凹加工を角材に施して、柱や梁という構造部材に仕上げていく工程のことを「墨付け・刻み」というのですが、その指示を実際の角材に書いていくのが「墨付け」

(墨付けの指示通りに刻まれた梁)
もちろん、その指示は設計(構造計算)と大工さん(経験と勘)で、社内で何度も話し合いお互いを活かした構造設計図を基に考えられています。
《地震や風などの力に耐えうるように計算された構造計算を変えることはありません。その上に大工さんの工夫を加えていきます》
その「指示=墨付け」通りに、穴を掘ったり、削ったり、切ったり手で加工していくのが「刻み」

新人のI君も簡単な所を加工させてもらっております。もちろん厳しいチェック付きで。

先ほどもありましたが、そしてこういう梁が出来上がっていくわけです。
この一連の作業を製材工場でラインに流してするのが「プレカット」。これが今の木造建築業界のほとんどですが、弊社は思う所もありまして、全て自社設計と自社大工が構造を考えて、自社大工が手で加工していくことに、こだわっています。
プレカットも良いと思いますが、やっぱりお家の心臓部の木の構造は自分たちで考えてつくりたいですからね。

まさに「木の家をつくっている」こんな作業場も、なんかええ感じでしょ。
さて、一月にわたって丁寧に一本づつ仕上げられてきた柱や梁も、いよいよ来週出番です。木の家の構造が一日で姿を現わす「棟上げ」で。
お客様も大変楽しみにしてくださっていると思いますが、実は私たちも負けないくらい楽しみなのです。
なんて悠長なことを述べていますが、墨付け担当した大工さんは、棟上げ前日はなかなか寝付けなかったりするそうですよ。そりゃ、百本以上の柱や梁が組み合わされるわけですから、「間違いないかな~」と直前まで心配なんだと。
とにもかくにも、来週の棟上げ楽しみです!!
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