野上のブログ

木の家教えて④~設計士が選ぶのはこんな土地~(土地探し、新築土地探し、北向き地面)

さて、久しぶりのこのコーナー。(ごめんなさい)

弊社広報の久保さんからの与えられたお題で、今日は「土地探し」です。建て替えやリノベでない限り、お家を考え出してまず当たるのがこちら。

ということで、今回は、不動産屋さんの視点ではなく、家のつくり手(設計者)の視点から、お話してみます。


お家の新築にあたってまず初めにでてくるのが「土地探し」。

結論から申し上げますと、お客様が気に入った土地は全て正しい。親御様にお譲りいただいた、ご親戚やお知り合いに紹介いただいた、近所や通勤途中などで気になっていた、そんなご縁のある土地は何よりも正解です。

田舎の大きな地面でも、街中の狭小地でも、設計の工夫で「ここちよいお家」は必ず!!造れますので、ダメな地面などございません。まず、ここを大前提に読み進めてくださいね。

弊社で新築の土地探しのお手伝いをすることも当然あって、常に何名かのお客様の土地探しが進んでいます。

ご相談されると、利便性、雰囲気、ここちよさ、価格、法規制、など様々な条件を考え合わせていきます。

いつも依頼する不動産屋さんからの目、私達家づくりのプロの目からのアドバイスをし、最後はお客様が気に入れば決まります。

ただ、やっぱり地面もご縁だから、すぐに見つかる方、時間のかかる方色々ですが、一つ土地探しの面白いお話を。

上の図面をご覧になってください。真ん中の道路を挟み、上の赤いA【道路が南にあって間口(つまり道路に接している部分)が広い】の地面と、下の青いB【道路が北にあって間口が狭く奥行きが長い】の地面があります。

AとBは同じ敷地面積です。隣あっている地面でここまで極端に差が出るのは稀ですが、【道路が北か南か?間口が広いか狭いか?】などは、土地探しでは必ずでてくる条件の一つです。

不動産的に言うと、Aの方が圧倒的に良い地面。

南に道があるということは(道路に家は建ちませんから)将来の日当たりも確保されているし、間口が広いから南に面する部屋も多く作れるし、車も停めやすい。

そして、どんな設計でもそれほど工夫はせずとも日当たりの良いお家が造れます。ですからBの地面に比べてAは価格も高くなります。

しかし、Bの場合(上が実際にあった南北に長い北側道路の地面)

上手く設計すれば、南に奥行きのあるお庭がとれるのです。そして、南側が道路ではないから、道路からの人や車の視線も気にならない、とても落ち着いたお家ができます。

(実際建ったお家から南側の眺め。大きく南側に開くことができます)

だから、建築的には(設計のできるつくり手的には)Bの地面をおすすめする事が多いです。

ただ、これは、上手く設計できるというのが大前提で、真四角に近い標準的なお家のプランをはめ込むやり方では、日当たり風の抜けともに悪いお家になってしまいますから、そこはかなり注意が必要です。

昨年完成したこちらのお家もそう。北側の道路は相当交通量の多い街中に建つお家ですが、そちらと反対の南側に開くと、北道路からは想像できない、こんな明るい落ち着いた暮らしができるのです。

もちろん今回挙げたのは一例で、弊社のWEBサイトでも南が道路でも落ち着いたここちよいお家はたくさんございますし、間口が広く奥行きが短い地面でも気持ちの良いお家もたくさんございます。

要は、お客様がお選びになった敷地に対して上手く設計するに尽きるわけで、どんな敷地でも大丈夫!

ただ、【北入り・間口が狭い】は不動産的には値段が下がるポイントですので、土地を探されている方には覚えておいてもらって良いのではと思います。


ご自分で土地を探されて、その土地をどう思うか?などのご相談もよくあります。土地探しでお困りの方などいらっしゃいましたら、地面を見て、つくり手からのアドバイスだけでも出来ますので、お申し付けください。

今回、最後にご紹介したお家は、YouTubeでもご紹介しています。コチラからご覧になってくださいね。


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