木の家教えて③無垢のフローリングって結局どうなの2(無垢フローリングの耐久性、フローリング傷、自然素材)

前回の「木の家教えて②」に引き続いて、今日は無垢のフローリングの経年変化について。
どんな材料も年月が経てば古くなります。その古くなり方が「ただボロボロで安っぽくなるのか?」それとも、「味が出てくるのか?」は大きな所。
私たちは、古くなっても味の出てくる材料を、古くなっても美しい仕事を、全ての判断基準にしております。もちろんそこは主観の出るところで、弊社がそう思ってるだけで、価値観や好みが合わなければお認めいただけないわけですが。
そんな経年変化で無垢のフローリングに起こることを、今回は私たちが一番よく使う吉野桧の無垢フローリングで少しご説明いたします。
まず色。

新築当初はかなり白いですが、
少し時間が経つと、

やけてきて、「白み」がとんできます。落ち着いて味がでてきて私は素晴らしいと思うのですが、皆様は如何ですか?
これは、桧など白っぽい木に顕著ですが、ナラなど元々濃い色のフローリングも、経年すると濃くなってきます。真っ黒の塗装などをかけていれば別ですが、オイル塗装などをしていても同じことです。
次に表面の傷など。

20年位経った桧のフローリングをアップで撮ってみました。結構傷がついていますし、色も初めの白っぽさは消えて飴色のようになっています。
ちなみに、左の節は、抜けたところを木の枝で埋めたもの(フローリングの製造過程で埋めています)、右の節は実際の板にあったもの(生き節と言います)。

この節がこのように割れたりすることはあります。あまり気にならないけれど、ストッキングがひっかかるなどがあれば、これを抜いてしまって、新たに木を埋めたりすることもあります。
また、

(フローリングのサンプルにわざと傷をつけたもの)
よく「無垢のフローリングは傷がつきやすいよ」などと見聞きするかもしれませんが、実際針葉樹のフローリングには傷がつきやすいです(前回の「木の家教えて②」をご覧ください)
ただ、このように傷がついても、一枚の木ですから、下も同じ木なわけで、ベニヤの上に単板を貼った普通のフローリングではこうはいきません。単板がめくれると、下からベニヤが見えちゃうわけで、途端に安っぽくなりますよね。
さらに、ある程度の凹みなどは、水をかけて雑巾などを敷いた上からアイロンなどで押さえて熱を加えることで、それなりに目立たなくすることもできます。(多分検索すると実際のやり方はたくさん出てくると思います)

それから、経年すると、木の表面がほれて?(全体的にへこんで)、「杢だし」とよばれる様な、杢目が浮き出てくるようにもなります(針葉樹)。これもなかなか風情がありますよ。
ただ、こうアップばかりだと、なんか汚れたような感じがするかもしれませんが、ひいて全体的に見るとそんな事はなくて、

こんな感じ。(もうちょっと全体的に色はこくなっていますが)
さらに、最後の裏技ですが、滅茶苦茶時間がたってもっと汚れてくると、削ることもできます。(実際50年位経ったお家でやったことあります)すると「新品!」とまでは言いませんが、皮をめくったようになるわけです。
無垢ならではの芸当ですね。
無垢のフローリングは風情も質感も性能も素晴らしいものです。傷や凹みも味と思える方ならば最高におすすめです。無垢は良いけど、傷はちょっと、、、という方は、広葉樹の硬いフローリングをご検討してみてください。
では、ひとまずこれで無垢フローリングのご説明はおしまい。まだまだご質問がある方はまた個別にくださいね。
そうそう。ここで何度か登場しているお家は、弊社のYouTubeでご紹介しています。10年経った木の家のそのものの姿が分かりますから、是非ご覧になってください。
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