野上のブログ

はぐ。

抱き合う「ハグ」ではありません。家づくりの「はぐ」。さて何でしょうか?

上の写真は弊社がよくご依頼をうけて造る一枚板のテーブル。一枚板というと、本物の木=無垢の木の板。厚み方向にも幅方向にも継いでいないもの。ということになるでしょうか。

厚み方向に一枚であることは無垢とベニヤの大きな違いだから、重要ですが、幅方向となりますと、なかなか。上のような大きな(幅1m×長さ2m)板を一枚の板でとることを想像してみてください。とんでもなく大きな木でなくてはいけない(どう考えたって、直径は1m超えていなければいけません)のが分かると思います。街路樹や公園の木などではとてもとても、山を走っていて普通見る木でも不可能ですよね。

だから、幅方向で無垢の一枚板同士を継ぐ、くっつけて幅広板を造ることがあります。これを「はぐ」なんて言うのです。

さて、和歌山市松島のA様家の中心に出てくるカウンターにも、この「はぐ」が使われています。先日作業場にて「はぐ」工程が進んでいましたので、ちょっとご紹介。

お客様と一緒に選んできた一枚板。よく見ると、2枚重ねられているのがお分かりになるかと。

まずは、一枚目を

大工の金子君が、反りや割れ、杢目の綺麗さなどを慎重に見て、どの部分を使うか?を決めて

余計な部分を切って落としていきます。前で見張っているのは尾崎棟梁。

この日作業場に居た、先輩大工の堺君に手伝ってもらって、こんな機械を通して、表面も削って水平に。

はい。削れて綺麗な杢目がくっきりと。

はい。一枚目が形になりました。2枚目も同じ下ごしらえをした後、

合わす部分に溝をきります。(これは尾崎棟梁自らがやっていますね)

溝を切り終わりました。溝に接合用の木を埋めています。

2枚とも完成です。手前の木に穴が掘られているのはここにボルトを通して締めて緊結するのですが、それはまた今度。

はい。2枚が合わさって一枚になりました。

上から見ると、大きな板になりましたね。あとは金子君がひたすらカンナをかけて、仕上げていきます。

はい。今日はちょっとマニアックなご紹介になりました。

色々な手仕事が現場だけでなく作業場でも繰り広げられています。ご興味のある方はご見学可能ですから、お気軽にお問合せくださいね。

それではまた来週でございます。


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