ぐるっとまわれる。(回遊動線、まわれるお家、水回り動線)
上の写真は先日webサイトにアップいたしましたお家。キッチンの近く(裏側)に洗面や洗濯、洗濯干し、収納などが配置されていて便利なのですが、、、
今日は「まわれる動線」のお家について。なんかちょっと前から流行っているのか?市民権を得てきたのか?昨今住宅会社さんなんかのチラシでもよく見かける言葉になりました。
でも、これは回遊動線なんて言ったりして、ず~っと昔からある住宅プランの考え方であります。
《大学の建築学科などで教えてくれるかと思えばさにあらず。今は知りませんが、2・30年前の大学の建築学科では住宅のプランなどはあまり教えてくれませんでしたね。有名な建築家(住宅を手掛ける)の本を読んだり、結局は設計事務所修行時代に、所長の図面をたくさん見て超たくさん書いて、学びました。》
回遊動線というと固くなりますが、あまり難しく考えずに、ある住宅建築家の神様のような先生がおっしゃったには「家の中が行き止まりなくぐるっと廻れると楽しいよね。ぶつからなくてよいしね。」そういう考え方で良いのだと思います。
ただ、よくチラシのプランで見ますが、
「まわれる」ったって、リビングと和室が行ったり来たりできる事をもってそう言うのははちょっと違うし、
玄関から洗面、そこから寝室入って、脱衣に行って、キッチンに抜けるとかは、確かに回れますが、ホテルならまだしもそれはちょいと違うのでは?と(お住まいの方の生活習慣に合えばそれでよいのですが)
要は「とにかく回遊性があれば良いというのではなくて、回れる意味がないとね」ということです。
ということで、ちょっと実例をご覧いただければと思います。
まずこちらのお家。
こちらが玄関。すぐ左手(暖簾の所)がシューズクローゼットと納戸。奥を右手に行くと和室方向(覚えておいて下さいね)。奥左はリビング方向です。
今度は奥のホールを左側に曲がって見ます。左手暖簾の奥がシューズクローゼット。ここから真ん中通路に戻ってこられます(通路の先左側に入口らしきものが見えています)。
通路をススムとすぐ右手に入口枠らしきものが見えていますが、これがリビングへの入り口。
そして、正面は洗面所(普段は引戸が閉まっています)。
奥の洗面所まで着いて振り返るとこちら。通路の奥に階段が見えていますが、この手前が初めの玄関。
そして、左手にはすぐキッチン。
おさらいしますと、【帰ってきて玄関からシューズクローゼットと納戸、そこで簡単に着替えて、洗面、顔を洗ったりして、キッチンへ】という一連の流れの中に部屋が配置されているわけです。
そして、
キッチンの先、ダイニングから見るとこう。正面がキッチン、その奥が洗面、そして左手がリビングですね。(この写真の正面左手奥=リビング奥に引戸が見えていますが、ここが玄関通路からリビングに入る入口)
先ほど述べた帰宅してからの便利な動線。ただ、常に洗面、キッチン抜けてリビングに出るばかりだと困りますので、玄関通路からリビングに入る普通の動線も必要。と、いうことは、結果として【玄関~(シューズクローゼット納戸)~洗面~キッチン~ダイニングリビング~玄関】とぐるっと廻れる回遊性ができてしまったという事になりますね。
要は、回遊動線が欲しくて造ったというわけではなく、こういう動き方暮らし方をしたいからと考えれば結局回遊動線ができたというわけです。
そうそう、こちらのお家はさらによく出来ておりまして、
先ほどのこの玄関。通路を右手に進むと、
こんな和室に出ます。
そして、その和室も
このようにリビングとつながります。さらに言うなら、大きなデッキでダイニングともつながるわけで、こちらのお家は回遊動線が2つ、3つあるってことになるんですね。
そうそう。なぜ玄関から直接和室にも入れるようになっているというと、将来的にお仏壇がくる可能性もありますし、寝室になるかもしれないからであります。
はい。もちろん。こちらにも意味はあるのですよ。
実はもう一軒の写真も用意しておりましたが、ちょっと長くなりすぎましたので、それはまた今度。
誤解しないでいただきたいのは、とにかく回遊動線があれば良い!ってことでもないということです。全てのお家に絶対必要ということではありませんので、じっくりつくり手さん達と考えて、必要であれば設ければ良いのだと思います。
はい。というわけで今日はこの辺で。
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