進むよ進むよ大工仕事
今日は海南市築50年の日本家屋リノベーション工事の現場より。
酷暑に負けず、大工さん職人さんも頑張ってくれておりまして、外回りの工事も順調よく進んでおります。
減築部(つまりお家を小さくした部分)の外壁や屋根の工事はもうすぐ完了。特に既存の屋根を縮めた部分も違和感なく(元々こうだったように)納まっており「よしよし」。こういう所はまさに職人さんの技術に頼る所がほとんどですから、瓦屋さん、板金屋さん、大工さん、皆ありがとうございます。
弊社の家づくりの特徴「深い軒」は、リフォーム・リノベーションでもできるのですよ。既存の外壁より1m位外側に柱を建てて、梁を組んで、屋根をつくります。あとは、もちろんここには濡れ縁(ウッドデッキ)も施工いたします。リフォームやリノベーションというと、お客様自身が「これは出来ないよね」なんてご自分で制限をかけている事も多いですが、大体のことは出来ますので、どうぞご相談くださいませ。
床もやり変えるリノベーション工事ですから、断熱材もしっかりと入ります。昔のお家は床下に断熱材がないパターンも多いですから、冬の底冷えはかなり解消されます。(床下は床を張り替えずとも断熱材を施工できることも多いです)
壁もやりかえる部分に断熱材を入れていけます。ただ、このへんは予算や様々な事が絡んできますので、複合的に色々なことを考え合わせて。ただ、壁をめくる部分や増築部はチャンスですから、是非断熱材を施工いたしましょう。(土壁の場合、元々断熱材が入っている場合、色々ありますので、現場で臨機応変にです)
先程の床の断熱材が施工された後に床板を張っていきます。こちらは吉野桧の無垢板。弊社がよく使う材料です。
床が張られるとその上に傷・汚れ防止のベニヤやダンボールを張って(この作業を「養生=ようじょう」といいます)、次は各入り口の木枠を組んでいきます。今現在の家づくりのほとんど全てはこの木枠は木目プリントの既製品となりまして(その中の建具も木目プリントの既製品)、それの方が圧倒的に安いですし、手間もかからないのですが、どうにも味気なく粋じゃないと思いますので、弊社の家づくりでは禁止。
一本一本無垢の木からこしらえます。
一本の木の角材を、大工さん達(主に尾崎棟梁)が、作業場で所定の木枠の大きさに加工してカンナで削って、必要な建具のレール溝なども彫って現場に運ばれます。
全ての入り口や窓は設計で施工図面を書いていますから、それを大工さんが一生懸命見て、棟梁が拵えた木枠をまた現場で納めるための加工をしなががら組んでいきます。
例えば、床板を張る際に先にいれてあった「敷居=しきい」(引き戸やドアの下の木枠のこと)に溝が掘られていますよね。
そこにあうように縦の木枠の下部に細工をしていきます。木枠として組まれてしまえば分からないけれど、接合部ではこんな木組み加工がアチコチで施されています。強度の問題もあるけど、後で木の収縮が起こった際にも対応できるようにしているわけです。(先日ご紹介した棟上げの柱・梁の木組みをスケールダウンしした感じですね。)
まあこういうことをお家のアチコチで行っていくわけですから、ローテクの極みでもありますが、やっぱり仕上がりの綺麗さや質感の差は歴然であります。特に10年20年と経年した後では顕著であります。とは言っても、こういう事はご理解いただくお客様があってのこと。よりよい仕事をさせていただくお客様に感謝感謝であります。
木枠工事が終われば、次は天井の下地に。解体時に現れた立派な梁をどう活かしていくか?どうぞお楽しみに。
ではまた次回。
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