野上のブログ

すごいの出てきました!(古民家、古民家リノベーション、古民家ショールーム、リノベーション)

今月から着工している和歌山市某所、H社様のリノベーション工事。

詳しい事は述べれませんが、誰もが知っている世界的ハイブランドともご関係のある所。海外からのハイブランドのバイヤーさんたちをお迎えするためにも、お持ちの古民家をリノベーションしたいとのご相談を受けてのお仕事です。

「古民家」と一言で言っても、要は昔の日本家屋ということだから色々あるわけです。

もちろん今では使えないような材料を使っていたり、木や土壁が経年して新築にはだせない味をだしていたり、昔は一般的に大工さんのレベルが今よりも高いから基本的な大工仕事が間違いなかったりと共通の所もあります。

が、

当たり前ですが、その当時の手間のかけ方お金のかけ方で差はあるわけで、皆様がこれは古くて凄い古民家だ!と思っていても、実際拝見させていただくと、そうでもなかったりもあるし、途中のリフォームで改悪されていたり、「これをリノベーションするのは難しいんじゃないか?」と思う事もあって、「結構なお金をかけて直すのは難しいのではないでしょうか」とお伝えさせていただくこともあります。

(言ってることが矛盾しますが、直せないお家はないのです。お身内が建てて思い入れがあったり。とても気に入っているとかなら、大丈夫です。ただ、かける金額などから総合的に判断してということです…)

その点、H社様の建物は素晴らしい。初めて拝見させていただいた時から、「うゎ、こりゃええ家やわ!」って思いましたし、材料も大工職人さんの仕事も素晴らしい。

大黒柱横のこんな格子も素敵ですし、今は養生しちゃって見えないけれど、欄間のデザインも粋!

わくわくしながらまずは慎重に天井や床を外す所から(うちの大工さんがドロドロになりながらやってくれています。ありがとうございます。)

はい!やっぱり出てきましたよ。立派な梁が。

黒くて立派なこんな梁もたまんないでしょ。

そして、特筆すべきが、上の写真でも見えているけど、

これ。竹を編んだ天井。これは土天井といって、この上に土を載せて断熱代わりにしている、和歌山北部の立派な古民家でたまに見る手法。(全国的にあるのかもしれません。調べて言ってるわけではないのであしからず。またこの竹を編んだ下に天井張っていますから、室内からは見えておりません)

カッコいいですねぇ。

ただ、上から土が落ちてくるので、今までのお家のリノベーションでは残念ながらこの下に天井を張るか、これを解体して新たに天井を造っていたわけ。

ただ、こちらの土天井はしっかりしていて、下からつついてもほとんど土が落ちてこないことと、ショールーム的な使い方がメインだということ、そして何より社長様のご英断でこのまま見せられることとなりました!!!

いや~、仕上がりが楽しみですよ。ホントに。

そうそう、他の部分の立派な梁もどしどし見せていきますよ。だけど、ただやみくもに見せれば野暮ったくなりますから、そこはスッキリと上手く見せて、センス良く納めなければいけません。大工さんたちと現場で相談しながら慎重に進めていきます。

このような本物の材料とホンマモンの仕事、そして経年した美しさは万国共通だし、どんなものを持ってこられても負けません。お見えになられた方に静かな感動を与えて、H社様のお仕事に貢献できるように頑張ります。

最後に、こちらは離れの納屋。ここもリノベーションして面白くなるのだけど、正面の梁がシロアリ被害でめっちゃ細くなっています。

当然リノベーションではこういうことも(特に土の上にそのまま建っている納屋などは)あります。

ここは梁を部分交換して、継いでいきます。こういうのはいくら図面書けても、頭で良い案でても、実際やる大工さんの腕がなければまさに「絵にかいた餅」となります。

そのためにも、昔からずっと大工さんを社員化して育てているわけなのですよ。

そうそう、今年後半には、また一つお家ではないお仕事も進みます。こちらもまたご報告できるようになったら、お伝えしていきますね。

お楽しみに。


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