面皮=めんかわ
今日は建築用語のお話。
面皮(めんかわ)柱って聞いたことあります?ないですよね。あるって方はプロとお見受けいたします。
そもそも柱などの角材の4隅。普通はピンと直角ですが、その角を少し潰すことを(意味不明ですね。また後日ご説明いたしますので、今日はこのまま流してください)「面(めん)をとる」などと言います。
ここで上の写真をご覧いただくと、その面が木の皮を残してあるから「面皮柱」と呼ぶのだと私は思っております。この柱はいわゆる「銘木=めいぼく」と呼ばれる美しい無垢材の一種。
海南市で進むリノベーション工事のお家では、床の間の床柱に使われています。
面皮柱はとても美しくて、個人的にも大好きな銘木です。
床柱と言えば、
こちらのお家の手前のボコボコっとした柱。これは絞り丸太と言います。ボコボコがきついものもありますが、弊社はこの位の上品な凹凸と細さがすっきり粋で好みであります。
こちらは、皮付きの赤い自然木。これは「さるすべり」の床柱です。面白くて風情がありますね。
こちらは玄関だけれど、「煤竹=すすたけ」を立てています。この煤竹など竹を床柱に使うこともよくあります。竹も上品でキレイですよ。
もちろん、あっさりと角の柱も良いですね。こちらは構造の柱(節のないキレイないもの)をそのまま床柱としています。これもすっきりしていてキレイだと思います。
上のお家は、床柱がお家の構造の柱となっています。先程の竹や丸太など銘木は普通、強度的な問題から構造用の柱にはできません。あくまでも飾りですので、ご注意を。
今回ご紹介した床柱はほんの一例で、いくらでもパターンはありますが、
日本のお家は西洋のお家などと比べて「引き算の美学」と言いますか、無駄なものを省いていった簡素な美しさがあると思います。用の美というか、構造がそのままデザインになったり、雨を防ぐ屋根のカタチがそのまま美しい街並みをつくったり。
色々と付け足してく&華美を嫌う所があると思います。けれど床の間だけはその中で、ぐっと色をつけたり、動きのある自然木を使ったり、いわゆる「遊び」の数少ないポイント。昔のものを見ても自由闊達に遊んでいるものもあります。
その遊び方にも上手下手があって、全体の調和を崩してしまうほどやりすぎず、けれどそこで「粋」を感じさせる。要はその頃合いがセンスであって、お茶の世界などはまさにその極みなのでしょうね。自然の木そのものを使っても【野暮ったく】なっちゃう人もあれば、【粋で風情がある】に仕上げられる人もあって、それがつくり手の力量。だから良いものを見て、一生勉強勉強なわけです。
床の間があるお家も少なくなりましたが、別に床の間はなくとも、先程の玄関やリビングの一角でも、ちょっとした「遊び」の空間があれば面白いですね。何よりこんな材料を考えたり選んだりの家づくりそのものが楽しいので、オススメです。
床柱・銘木使ってみません?楽しいですよ〜。
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