野上のブログ

一枚板を探して!

前回の続きで、今日は無垢の一枚板のお話。

弊社の家づくりでは【造り付け家具】は必ず登場します。お家のインテリア的にも、ご家族にお家にあって使いやすいという観点からも、省スペースで上手くたっぷり収納量を確保できるという観点からも、量の多い少ないはありますが、キッチンバックや玄関などは、ほぼ100%造らさせてもらっています。(他にもテレビ台や書斎デスク、テーブルなども)

そして、その天板(上の板)には、無垢の一枚板を使わせてもらうことがあります。もちろん、適材適所、用途・使い方に応じて色々な材料を使いますから、無垢が常に良いわけではありません。コストの問題もあります。

けれど、昔よりは値段は手頃になりましたし(よく家具屋さんに一枚板飾ってましてびっくりするような値段書いてますけど、つくり手はそんな値段ではありませんから)、メイン空間に一枚もってくれば、室内空間もしまって、ぐっと雰囲気がよくなりますのでおすすめです。

他にも、

このような玄関の上がる部分に使う板も、無垢の一枚板や角材が雰囲気も良いですし、和室の床の間廻りの材料などもありますね。

こういう材料をまとめて「銘木=めいぼく」と呼ぶのですが、そういう美しくて、質感たっぷりの素晴らしい銘木を主に扱っているのが「銘木屋さん」。ご近所にもいつもお世話になっております素晴らしい銘木屋さんもあって、上の写真の一枚板テーブルの栃の一枚板から始まって、ほとんどのお家の銘木でお付き合いいただいておりますが、

さらに特殊な材料を探しに行く際や、弊社にある程度のストックを持っておくために買付に行く場合などにお邪魔するのは、こちら。

大阪摂津市の鳥飼銘木団地です。素晴らしい材料がびっくりするくらいある場所で、木の家のつくり手なら楽しくて異常にテンションが上がる場所であります。

これは月一の市の用意をしている場所に見学にお邪魔した時の写真ですが、外まで色々な材料が並べられています。ただ、小さい頃父に連れて行ってもらった時は、もっと凄い規模でしたし、設計事務所修行より和歌山に戻ってきてからも(約20年前)、ちょくちょくとお邪魔してますが、段々規模は小さくなってきている様に思います。

けれど、やっぱりめちゃ凄いんです。こだわりの木の家に携わる者をここにはなつ?と、老若男女に関わらず、一日中喜んで遊んでいるはずです。(市がない時もここにある大規模な銘木屋さんの倉庫に一杯良材があるので、いつ見に行っても大丈夫です)

こんなとんでもない材料も
素晴らしい木目(杢目)の無垢材も一杯
木が好きな者にとってはタマラナイ材料が一杯です

だから、買付とともに、勉強のためにもたまにお邪魔するのです。やっぱり良い材料をたくさん見なければ目が肥えませんし、材木屋さんに教えてもらうこともたくさんあると同時に、銘木のプロにも本当に教えてもらうことがたくさんです。とにかく木の家は勉強勉強です。

前回お邪魔した際は、設計の坂本さんと若手大工の坂本くんと堺くんを連れて。設計もこういう材料を見ておいて、お客様のイメージを実現する材料を頭にいれておくことも大切ですし、設計・大工どちらも色々な本当に良い材料を見て、幅を広げることは本当に本当に重要です。教科書やカタログではわからないことがたくさんありますからね。

こういう場所は日本が永年積上げてきた木の家づくりの文化の塊の一つです。規模が段々小さくなってきているのは残念ですが、後世に必ず残していかねばならない場所ですね。

な〜んて、小難しいことを言わずとも、先にも述べましたがここに設計者も大工さんも連れていけば、子供のようにはしゃぎますし(木の家・建築が好きな人に限りますが)、お客様とご一緒することがあれば(街の銘木屋さんでも)皆様とても喜んでくれます。

もしかしたら、さほど木の家に興味がない人でも、実際見てもらえれば変わるかもしれませんね。それだけ本物の選ばれた自然素材が持つ魅力・迫力というのは凄いものがあるのですよ。こういう場所ももっと一般に開放しても良いんじゃないかとも思いますが、まあそれはこちらの言うことではないですね。

先日の買付&見学の際に買ってきた材料の目玉は、一番初めの素晴らしい一枚板と、こちらの赤松の丸太と煤竹。どちらも長さが4mある所がミソです。

これらの材料も近々現場に登場予定です。お楽しみに!


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