野上のブログ

「良い物をつくりたい!」がなくっちゃ。(社員大工、設計士募集、手斧、構造計算)

前回まで完成したお家のご紹介を続けましたので、今回はがらっと趣向を変えて。

先週も本当に気持ち良いお家が完成したり、こだわりにこだわった楽しみな部分が出来てきていたり、棟上げをさせてもらったお家があったり、工事が始まったお家があったりと、色々とご紹介したい所があるのですが、それはまたおいおいのお楽しみにしていただいて、今日は「つくり手」達のお話。

上の写真は、仕事を終えた後の夜の作業場での一コマ。先月位から、若い大工さんたちが手斧(ちょうな。ちょんな。)という道具を使って、木に名栗(なぐり)加工を施す練習をしています。

手斧なんて、今では家づくりのプロでもほとんど見る事のない(こだわる人たちはそうでもないですが)道具。それを使った名栗加工なんて、今の家づくりから見たらもう昔話のような世界。

でも、まだ出来る人達はかすかに残っていて、またその仕上げの風合いも素晴らしくて、捨て去るには惜しい技術。

その技術を誰が言いだしたか?弊社の若い大工さんたちが自主的に仕事終わりの夜、作業場で練習し始めました。夜に「コーン、コーン」と響く、手斧で木を削る音もなかなか風流で、社屋の3階で図面を書いている私もなんだか気分よくなってきます。

仕事も終わって疲れているだろうに、やっぱり大工仕事が好きなんだな~とホント感心いたします。(彼らが綺麗に名栗加工を出来るようになったらまたご紹介いたしますね)

こちらは、朝の弊社設計室の様子。奥に座るのは設計の福井君。手前は山本棟梁。来月着工のY様家の木構造(木組み)の打合せ中です。

何回もご紹介しておりますが、弊社は設計も大工職人も自社に揃う強みを活かすように、しっかりと構造計算をした数字と、大工さんの永年の勘と経験(古くから引き継いできた)を突き合わせて「よりよい」を目指しています。

大工さん達の木組みの力のかかり方への感覚の正確さは、高名な構造設計の先生たちも認める所ですが、こと地震時の力のかかり方となれば、そこは構造計算には適いません。しかし、長い間にお家にかかる力や木と木の接合部などの考えは大工さんの知恵を活かす方が絶対に強い物ができると私たちは確信しています。

だから、こういう風に二つを突き合わせているのです。山本棟梁が考えてきた木組み図を福井君がPCで構造計算をし、地震時のシュミレーションを行い、梁の大きさなどをチェックしていきます。この画面で問題になっているのは緑色の梁。大工さんの考えたものでは大きさが足りないわけです。梁の掛け方を変えるのか?問題の梁を大きくするのか?いや、他の部分に梁を足すのか?でも、内部空間の設計もありますから、構造だけ考えていれば良いわけではありません。

難しいけれど、重要な部分ですから、しっかりと打合せをして、詰めていきます。

こういう所も実は結構家づくりに対するスタンスを問われる所です。

デザインのために構造を犠牲にするのは許されないけど、構造がOKであれば、デザインがどうでもよいわけでもありません。けれど、あちらこちらで満たさなければいけない条件が出てきて、家づくり・建築が好きでなければ「まいっか」となって、デザインや使い勝手などを犠牲にすることがありがちです。

ここでどこまで頑張るのか?絶対に構造を犠牲にするのは許されないし、どれだけコストをかけても良いというわけでもないけれど、粘るか粘らないかで結果はかなり違うのです。だから、まず初めに「良い物をつくろう!」という考えがなければ、家づくり建築が好きでなければ、弊社の家づくりを行っていくのは難しいのです。

えっ?

そうなんです。

前も述べたかもしれませんが、弊社は設計スタッフ募集中なんです。

弊社は、壁の押さえ縁(リブ)と、引戸の押さえ縁を揃えるような面倒くさいことを考える「つくり手」ではありますが、だからこそ設計は面白くて楽しい。

どなたかお仲間になってくれる方はおられないでしょうか?皆様の廻りにも良い方おられないでしょうか?以前設計のお仕事をしていて、今は正社員のような働き方は無理だけど、という方でも大丈夫です。

もしいらっしゃったら、求人のページからお願いいたします。


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