野上のブログ

思い出したバッタのお話。

さて、今日は隣のリノベーションショールームに居た際に思い出したお話。弊社情報誌「つくり手」で記事にしたこともあるし、もしかしたら、このBlogでも投稿したことあるかもしれませんが、とにかく思い出しちゃったので、お付き合いくださいませ。(お話の進め方は以前の情報誌の記事の形で)


『近所のおじちゃん』って最近はあまりないのかもしれませんね。

僕がまだ小さかった昭和50年代60年代は、近所でも叱ってくれる怖いおっちゃんや、公園で遊ぶ子どもをいつも見守ってくれている?お爺さんなどがまだ居て、今とは随分違うような気がします。

近所のK様は父よりも10歳位上で、父も昔からお世話になっている方。その方のお家は曽祖父が建てさせてもらった築90年のお家。(こちらが今の弊社隣のリノベーションショールーム)

僕も、小さい頃からとても可愛がっていただきました。

夜、突然家に遊びにきて、ドライブに連れて行ってもらったりもしました。

そして、私が成人して弊社に帰ってきてからも、ふらっと会社に遊びに来て話をしていったり、誕生日でも何でもないのに、カバンや服を持ってきてくれたりと。

本当にたくさん貰いました。

とってもオシャレな方でしたから、センスのない私には着こなせないものもたくさんありましたが、今でも使わせてもらっているカバンや服もたくさんあります。

本当に可愛がっていただきました。

そのおじさんも、ご高齢のため、ここ2・3年は(2021年当時で)会社に遊びにくることもなく、特にこの1年は姿もお見かけすることなく、施設に入られているとお話は聞いていたのですが。


お盆も明けた8月後半のある日、朝出社し自分の部屋の窓の障子を開けると、大きくて立派なバッタが木製窓の外に張り付いていました。

驚いて障子を閉めたくらい。

丁度、私の部屋を外から覗いているような感じです。幹線道路に面した3階の窓ですから、こんな所にバッタが張り付いていたことなどなくびっくりしましたが、開けなければ入ってくることもありませんので、その後は特段気にせず仕事を。

(弊社3階の木の窓)

翌日出社すると、今度は会社の玄関の前に居ます。丁度僕を待っていてくれたようです。

しっかし、ホントにキレイな緑色で立派で凛々しくて、なんともカッコいいのです!(私あんまり虫は好きではございません)二日続けてですから、親近感のようなものも湧くとともに「なんか良いことあるかもよ」と漠然と思っておりました。

………

その日、何故かこんな事を思い出しました。

大学に入学して初めて、学校帰りに表参道や青山の方面に行った時のこと。

町並みもオシャレですが、歩いている人もオシャレでカッコイイ。

「うわ〜凄いな〜」と気圧されながら歩いていたのですが、そこに60歳位の紳士が通りがかりました。

フォルムも色もめっちゃ派手な服なのですが、物凄く馴染んでいる。完全に着こなしていて本当にカッコイイおじさんでした。《「THE東京の人」というか、本当にオシャレで無理せず自然に都会感のでている方って、やっぱり東京にはたまに居るんですよね〜》

その時、近所のKさんなら、ここを歩いていても違和感ないな、負けないなと思ったのです。

(こんな所を歩いていて似合う方でした)

………

そして、その日の夕方、母親から「そういえばKさんお盆前に亡くなったのよ。ご家族だけでお見送りになったから近所の人も知らなかったのよ。お盆明けにご家族が挨拶にきてくれたんだけど言ってなかったっけ?」と聞かされたわけです。

不思議な力は私には全くありませんが、「あっ、あのバッタはKさんだったんや。お別れを言いに来てくれたんちゃうか。」とストンと合点がいったわけです。

そして、次の日からパタリとバッタを見なくなりました。

全ては偶然だとは思いますが、大切にしたい出来事でありました。

このように、私、皆様に可愛がっていただける星の元に生んでいただいて感謝感謝であります。これからも、その有り難さを忘れずに、一つ一つの出会いを大切に、お家づくりに励んでまいりたいと思います。


なんてお話。

ええおっちゃんだったなぁ。と思いだしながら、自分もすっかりバッチリおっさんになっている事に愕然とし、また、この方みたいなカッコいいおっちゃんにもなれていないこともガッカリしますが、毎日幸せに楽しく過ごさせていただき、ありがたい限りであります。

てなことで、お付き合いいただきまして誠にありがとうございました。

また来週。


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