木の家教えて②無垢のフローリングって結局どうなの?1(無垢床板、無垢フローリングの種類、杉、桧、ナラ)

さて、「教えてコーナー」の第二回。
今回は無垢のフローリングについてです。
Q.無垢のフローリングが気持ち良いし、素敵なのはよく分かるけれど、どんな樹種があるの?コスパ・メンテナンス的に。ひび割れとかないの?もし傷がついたら?
A1.まず【無垢のフローリング】はベニヤの上に木の単板を張ったいわゆる【フローリング】とは違って、一枚の板で大きな調湿効果があるので、足ざわりも室内環境的にもとてもここちよいものです。それは、私もとても実感しています。
昔住んでいた古い建物で、塩ビシート貼りのキッチン(昔流行ったんでしょうねぇ)に小さい子どもは長い時間いなくて、遊んでいたのは、無垢床板の縁側やタタミの部屋。梅雨の時期になるとそれは顕著になって、子どもは本能的にその気持ちよさを分かっていたのだと思います。
また、私自身も、小さい頃縁側で寝転がっていた気持ちよさが、ここちよいお家の原体験になっていますから。
では、まずはどんなものがあるのか?樹種からまいりましょう。
A.針葉樹のフローリング。

桧や

杉。
が有名ですね。総じて、柔らかく温かくて足ざわりがよく優しいのが特徴。半面傷はつきやすいと言えます。(特に杉は傷がつきやすいです)
弊社で一番よく使うのは桧。奈良吉野産の綺麗な良材を使っています。吉野材は昔から酒樽用に植林されていたこともあり、節(枝)が少なく色味も美しく内装材にはぴったりです。後でも述べますが、弊社はこれをフローリングメーカーではなく材木屋さんより直接仕入れるのでコストもお手頃で自信のある逸品です。
B.広葉樹のフローリング。

ナラや

栗。
他にも桜やウォルナットなどなど色々な種類はあって色目や杢目もさまざまで楽しめます。また総じて針葉樹の柔らかい雰囲気よりは締まった感覚になるでしょうか。そして、針葉樹に比べて硬くて傷がつきにくいのが特徴。(針葉樹に比べて。です。ベニヤフローリングなどよりは足ざわりもよく温かいです)
ただ、上の写真と下の写真をよーく見比べるとお分かりいただけるのですが、上の写真は長さ方向に継ぎ目が結構ありますね。これをUNIなどというのですが、長さ1.8m一枚の中で、継ぎ目が4つも5つもあるものが多いです。(もちろん厚み方向には継いでいません。無垢ですから)最後にオイルを塗るとそれは良く分かって、私個人的にはあまり気になりませんが、気になる方もいらっしゃるかもしれません。
それが嫌で1.8m一枚物で行きたいなと思うと、あるのですが、なかなか高額になります。
そして、特別な場合を除き、広葉樹は大体は輸入物でメーカーさんから仕入れることとなりますので、針葉樹に比べて金額は高めです。(弊社は針葉樹フローリングを永年お付き合いのある製材所から直接仕入れるので、安く入り過ぎているという所もありますが)
そうそう。長さ方向の継ぎのお話をしましたが、弊社の針葉樹フローリングは4m一枚ものです。
次は節のあるなし。
一番よく使う桧を例に。
節というのは、木が山に生えていた時の枝のあと。だからあることに問題もないし、性能面でもなんら問題はないのだけど、そこはやっぱり皆様好き嫌いはあります。

ア. 無節。節が全くない物。綺麗ですねぇ。

イ. 小節。よく見ると小さい黒い点が何個かあります。これも美しいですね。

ウ. 節あり。黒い節の跡が先ほどよりも目立ちます。けれど、これも全然綺麗だと思います。ただ、これになると、節が抜けた所に穴埋め(木で)している所がチョコチョコとでてきます。それが目玉みたいで嫌だという方もいらっしゃいます。またその穴埋めした木が将来的に抜けたりすることもあります。(頻繁ではありません)
けれど、それは弊社のメンテナンス時に大工さんが直しますので、心配は要りません。
皆様の想像通り、値段は「無節」が一番高くて、「節あり」が一番手ごろです。節がそれほど気にならない方なら、圧倒的に「節あり」がおすすめです。
弊社のお客様では、リビングダイニングは「小節」で、他の部屋は「節あり」でという方と、全て「節あり」でという方が半々という所です。(無節はぐんと値段が高くなるので、あまり採用はありません)
《今述べた「節のあるなしの名前」ですが、これは産地によっては、少し呼び方が違う場合もあります。また、吉野はそもそもが節の少ない良材ですから、吉野の「節あり」が他産地の「小節程度」ということもありますので、そこは実際の施工写真などをみせてもらって決めてください。また自然のものですから、節の入り具合が全く同じにはなりませんし、節の量も多少のばらつきはありますから、ご理解くださいませ》
はぁ、長くなってきましたね。
まとめますと、柔らかさ足ざわりの良さでは針葉樹、硬さや傷のつきにくさでは広葉樹となります。ただ、そこよりも色目やお好みの雰囲気で決めている方がほとんどです。節のあるなしも。
とはいえ、以前、外でも裸足で遊ばれるお子さんのご家族がいらっしゃって、そしてそのまま家に上がったりもするから、針葉樹はやめて広葉樹にしたり、
書斎スペースで椅子のキャスターをコロコロよくさせるから、そこだけはそもそも無垢材の採用をやめたりしたこともありました。
とにかく、室内環境的にも、室内の雰囲気(質感的)にも無垢の床板は素晴らしいから、是非皆様も使っていただければと思います。
A1でめっちゃ長くなっちゃったので、次回もこの話題で続きます。
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