座の暮らしのお家【和歌山市】2016年
ご夫妻と小さなお子様二人、そしてお母様のご同居も念頭に置かれた住まいです。
今の暮らしが、ソファを使わずタタミで横になっていること、お食事もちゃぶ台風のローテーブルでとられていることから、床に直に座る「座のくらし」を大きなテーマといたしました。
ダイニングが掘りごたつとなっている事だけではなく、広間に繋がった勉強&書斎コーナーも一段下げて目線を合わせたり、また窓配置や全体の高さ計画にも気を使って計画いたしました。
更に、非常に自然豊かな恵まれた環境ということもあり、外でお食事をしたり、くつろいだり、星を見たりすることのできる、まさに外のリビングとも呼べる大きなデッキを設け、それをL字型に建物ではさみました。これからじっくり行っていく外構工事が進んでいけば、もっともっと居心地のよい空間となるはずです。
大変建築やインテリアが好きなT様こだわりの、階段、キッチンのガラスモザイクカウンター、吹抜の色フスマ、また照明など、とても見応えのある部分が随所に見られます。
また、「座のくらし」ではありながら、随所に差し色として現れる「鮮やかな色」や、天井のラワンベニヤや、外壁の鎧張りと緑色の屋根など、お客様の好みのミッドセンチュリーにも通じる部分と、基本の「和」が上手く融けあっているお家です。
初めてお会いしてから5年。見学会や勉強会にご参加いただき、実際のお家の計画(設計)が始まってから3年以上。農地にまつわる特殊な許可申請や前面道路にまつわることなどで、非常に苦労をなされ、結局、初めとは敷地計画も随分変わり、擁壁や解体工事まで加わってきたT様家。この長い期間を見事に辛抱して、理想のお家を建てきったご家族様には本当に頭が下がります。赤ちゃんだった息子さんも、すっかり男の子になりました。また、長い工事期間中、ご実家のお母様にも随分とご不便をおかけしました。
T様ご家族様、お母様、皆様本当に私たち全ての家づくりに関わるものに良くしていただきまして、心より感謝申し上げます。やっぱり良い人には、必ず最後には良い方に向いてくることが分かり、自分の人生にとっても大変素晴らしいことを教えていただいた家づくりでした。