愛着のあるおじい様のお家①
さて、前回から少し時間は空いてしまいましたが、こちらのお家のご紹介を本格的に。JR和歌山駅にも近い街中のお家。30代のご夫婦と小さなお子様二人のお家です。敷地の状況などは前回ご紹介しましたが、外観も内部もお客様がお好きな和風情で統一されています。
上の写真の玄関まわり、弊社の定番、吉野杉の赤身板を張った外壁の中、和風情の玄関戸を開けると、
玄関に入ります。正面奥がリビングへの入り口、手前の右側のフスマをあけると和室です。反対から見ると、
リビングの入り口からです。右奥が先ほどの玄関。左はリビングと奥の和室。先ほどの写真でもばっちり見えていましたが、階段の壁に入っている障子、そして、リビングと和室の間にある欄間と障子。実はこれは全てこちらに以前建っていたお家の物なのです。
おじい様がお建てになって、長い間暮らしてきたお家。色々考えた上で建て替えとなったわけですが、懐かしい思い出を新しいお家にも持っていきたい。また、新しい物にはない風情が古いものにもありますし、今手に入れるには随分高くついてしまうものなどもありますから、素晴らしいことだと思います。今までもよくやらせてもらっています。
正面の障子は、和室の床の間にあった書院障子。天井についている竹材も以前のお家の玄関にあったものです。どちらも綺麗に外して、修理をして、使っています。
《古い物を使うには、新しい物を使うより、技術的にも知識的にもよっぽど難しいもので、手間もかかりますので、慣れていない「つくり手」にとっては対応できないですから、そこはご注意を》
ただ、古い物を入れて、悪く目立つというか、いかにも使っています!というのは避けなければいけないといつも思っています。もちろん、よくよく見れば木の色もやけているし、傷もついているし、古い物だと分かりますが、ぱっと見た感じでは新しい物と違和感なく納まっているように。これは、かなり大切なことだと思いますし、かなり注意をしている所です。
玄関の靴箱はいつものように造り付け。天板は栃の木の一枚板。お客様と一緒に銘木屋さんに見学にいって、奥様が気に入った杢目が味があって美しいです。靴箱の上に空いているのはポスト口。
そして、土間は南部砂利の洗い出しという仕上げで、天井は杉の天井板。お客様がお好きな「和」な玄関ですね。
玄関の右側に入口がありますが、
そこを入るとこんな空間。土間のシューズクローゼットと服なども掛けられる納戸機能、そして内玄関機能も兼ねている便利な空間です。
その空間の向こう側には階段下に入れ込んだ可愛らしい手洗い。帰ってきてすぐに手が洗えるように。ちなみに左側のドアの向こうはトイレです。
最後に、先ほどの玄関の写真に戻ってもらって、和室への入り口のフスマがこちら。日本の文様を使った綺麗な唐紙。奥様がお選びになったもの。遠目には分かりませんがよくよく見ると、こんなとても美しい文様が見える。「粋」でしょ~。
リビングはまた次回。
よろしくお願いいたします。
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