大きなテーブルと小さなお家の豊かな暮らし【和歌山市】2016年
和歌山市松ヶ丘の閑静な住宅街の中に建つ29坪のお家。お父様が設計事務所を主宰されていて建築的なセンスが素晴らしいご主人様と、設計事務所に勤務経験のある奥様。ここだけ聞くとつくり手は「構えてしまう」わけですが、実際のH様ご家族は、ご自分たちの知識などひけらかすこともなく、いつも控えめでこちらを立ててくださり、何でもご相談くださって、とてもいい関係で一緒にアイデアを出し合い、本当に共にお家を造っていくことが出来た感があります。
こちらの敷地は間口が狭く奥行きが長く、普通に南側にお家をとるように設計すると、幅の狭い庭が奥に長く出来てしまうだけです。周囲のお家も隙間なく建っていることもあり、それでは全く気持ちよくありません。ですから、道路から見通せない奥側に思い切ってまとまったお庭をとって、そこに対してリビングダイニングを開こう!というのが設計の始まりでした。
そしてそれ以上に大きなポイントとなったのが、今お使いの大きなダイニングテーブル。ご自宅での打合せ中などで拝見するに、食事はもちろん、団欒、勉強、家事、遊び、時に物の避難場所、など様々な事に活躍しているのが分かり、H様の暮らしの中心を担っていることがよく分かりました。
そんな大らかで家族の暮らしの中心に座るダイニングテーブルを気持ちのよい場所に。そしてそこを中心として、色々な所に丁度良く手が届くように動ける小さなお家というのがこのお家の大きなコンセプトです。
小さなお家には必須とも言える、【外とつながること・物が溢れてこないように各所に収納をつくること・フレキシブルな使い方ができること】なども、きっちりと押えています。
お引越しの際、○○君(下の男の子のお子様)に心温まるお手紙をいただき、本当にお家を造らせてもらって良かったとしみじみ感じました。これからも末永くお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。