アウトドアリビングのあるお家【和歌山市】2021年
和歌山県庁にもほど近い閑静な住宅街に建つ、40代のご夫妻と小学生のお子様1人、将来的にはお母様の同居も見据えた、約33坪のお家です。初めてお会いしてから5年以上、じっくりゆっくり土地を探し、ようやく出会った理想の敷地に、多くの見学会にご参加いただいて得た&建築家の書籍などでも学ばれた「こだわり」を詰め込んだ、ここちよいお家です。
静かで落ち着いた住宅街の中目立ちすぎず、だけどふと目に止まるような、例えて言えば「仕立ての良い服」を着こなしているかのような落ち着きと上質さを目指した外観からお家へ歩みをすすめていくと
玄関ホール。玄関には靴やアウトドア用品もしまえるシューズクローゼットであり、服など室内の物も片づけられる3帖の納戸がつながっています(写真のれんの先)。
帰ってくると玄関を通ってその納戸に入り、靴を脱ぎ傘を片付け、床に上がり服を着替えて、そのままホールに出られます。そこからリビングと洗面所に入ることができ、特に仕事終わりの家事の流れや、子どもさんが学校から帰宅した後の流れを考えると、この動線は便利です。
さらに洗面所からはキッチンにも抜けられることができて、帰宅してからの家事に向かうルートに無駄がなくとても便利。お仕事に家事にとてもお忙しいお客様のご要望をカタチにいたしました。
洗面所は湿気も考えて吉野杉板張り。洗面カウンターは深型のボウルをはめこんで大工さんが造ったオリジナルです。
そして、ダイニング。キッチンとダイニングテーブルが一直線に並ぶ形。家事動線が短く使い勝手が良いことはよく知られていますが、W様の日々の暮らしを考えてもこの形がベスト。また、ダイニングとリビングがL型につながり、奥行きが出てきます。メインのご要望の一つであった大きなデッキともつながって外にも広がるここちよさもあります。
家づくりにあたって一番大きなご要望が「外の視線を気にせずゆっくりとくつろげること」そして「外とのつながりの気持ちよさもあって、でもリビング・ダイニングは内にこもったような落ち着きもあること」でした。
そこで、いつも以上に大きなデッキをつくり、そこを大きな屋根で包みこむことを考えました。
そして、そのアウトドアリビングにリビングやダイニング、和室が面すること。そうすることによって、アウトドアリビングを通じて外につながる気持ちよさを得ると共に、外部と内部との大きな緩衝空間をつくって、隣地からの視線をやわらげました。
また、リビングは吹き抜けを通じて2階ともつながりさらに広々と感じられます。そして、吹き抜けにある大きな窓が、リビングや和室に気持ちの良い光を届けています。
吹き抜けにしていることもあり、こちらのお家では一台のエアコンで全館暖冷房をまかなう「パッシブ冷暖」を採用しています。お家の断熱性能を高めていること、日射を取り込む&防ぐ建築的な工夫と合わせてですが、大きな木の窓で大きく外に開いていながら、冬はあたたかく、夏は涼しいお家となっています。
多くの見学会や勉強会にご参加いただいたW様ご家族。弊社の設計スタッフや大工さんたちとも顔なじみになっていただいていたこともあるでしょうか、全幅のご信頼を得て、工事は順調に進みました。
実は、初め敷地には大掛かりな造成工事も必要でしたが、ご近隣の皆様のご協力も賜って、難工事も拍子抜けするほど快調に進みました。ひとえにW様のお人柄によるものだと思います。そんなw様ご家族にふさわしい優しく上品なお家が仕上がったと思います。
これからの暮らしでますます魅力を増していくことが今からとても楽しみです。