野上のブログ

古材を活かす。

今日から11月。今年もあと二月を残すところとなりました。何かと忙しい時期に加えて、今年は、いよいよ感染症も収まりを見せている中、今まで延期延期となっていたイベントや勉強会なども例年通り開催されそうで、昨年は全くありませんでしたから、それに慣れてしまっていて、時間の調整がなかなか大変です。もちろん、参加する際には気を抜かず慎重にまいります。

さて、今日は現場。

和歌山市太田のA様のお家。外観は吉野杉の板も張られてきました。先日雑誌の取材を受けた際に「大彦さんの板張りはとても美しくて特徴があって、すぐにそれと分かりますね」と出版社の方におっしゃっていただきましたが、やっぱり案外自分の所のことって分からないもので、自分たちは「当たり前」としか思っていない事でも、ご評価いただくことがままあります。確かに、優れた林産地の吉野材を、弊社で寝かして乾燥させたうえで、厳選して加工して使っているとても品質の高いものですあkら、もっとアピールしていきましょうかねぇ。

内部は床板も張られ(その上に傷防止でベニヤなどをかぶせて養生しています)、断熱材も入り、今は各入口の木枠を入れているところ。

和室の複雑な納まりの木枠などもどんどん施工されています。

和室と言えば、

現場にはこんな「欄間=らんま」が運び込まれています。実はこちらの欄間はおじい様がお建てになった以前のお家にあったもの(こちらのお家は建て替えです)。思い出でもありますから、こちらを新しいお家に再利用したい!とのご要望で、こちらに合わせてこれが入るように木枠を造っています。細部の納まりに関わる所もあるので、現物を測りながら造っていく必要があって、現場にもちこまれているわけ。

実は、こういう事、結構あります。

リノベーション・リフォームなどでは古材を活かすのは当たり前ですが、建て替えの際に以前のお家の思い入れのあるものを使ったり、親御様にいただいていた材料を新築に使ったり、昔気に入って買っていた古材を使ったり(これは稀ですが)。

こちらのリノベーションさせていただいたお家では、風情があって気に入っておられた建具を木枠ごと残したり、

貴重なフローリングを再利用したり。と。

他にも、床柱を使ったり天井板を使ったり、また梁を再利用することもあるのですが、普通は、柱を柱のままに、梁を梁のままに使うことは難しいです。完全に外して同じように建てる場合は例外ですが、普通は外す際に短くなったり、外す前には壁や天井、床下に隠れている部分に加工の穴や釘があったりするからです。

ですから、梁はカウンターに形を変えて使ったり、天井板など小さい面積に張り直すなどして利用します。

ただ、

このように、建具の再利用の場合は、その限りではありません。建具寸法通りに入口枠を造れば使えます(先ほどの欄間もそう)。また和の古い趣がお好きな方には古い建物の建具はバッチリお好みにあいますし、今では造れない(造れてもかなり高価になる)手の込んだ建具などがたくさんありますから、おススメです。

ただ、その場合も高さの問題もあるのは(今は昔に比べて身長高いですから)注意です。また、傾きの問題などもあってある程度直して使わないといけない部分もあって、やっぱり職人さんの腕は必須です。

古い物の再利用も弊社は得意とするところですので、考えておられる方?質問のある方?など、いつでもご相談くださいね。

では今週もスタートです。よろしくお願いいたします。


ホームページのリニューアルに伴い、ブログも新サイト内に統合しました。

過去のブログの記事(2020年以前)はこちらからご覧いただけます。

New