野上のブログ

”あつい”野地

昨日から9月。毎月「おついたち」には代々お参りしている東大阪の神社様に月参りをして、気を新たにするのがもう80年以上(私は15年位)続けている習慣ですが、今月はいつも以上に色々な感謝を述べて。

先月は色々なことがありました。従業員の現場でのケガ、車の事故、どちらも神様やご先祖様にお守りいただいたおかげで、大したことはなかったですが、他にも身内の入院もあったり現場での不注意や何かと。問題が起きると憂鬱な気もしますが、因果応報。蒔いた種が実を結んでいるだけですから、それによって今までの心得違いに気づくわけで感謝感謝であります。何の反省もなく進んで、突然取返しのできないことに見舞われることだってあるわけですから、感謝感謝また感謝であります。従業員一同、また気を入れなおして頑張らなあかんね。と確認したわけです。

また、曾祖父の代からの大変なお得意様のお屋敷も色々なこともあり売却するという残念なご報告をいただいたり、けれど同時にそのお得意様の初代の方が創業された土地と建物(曾祖父が建てさせてもらった町屋)を弊社が譲り受けることになったりで、何か不思議な縁を感じたり。

これから、その建物をどういう風に利用していくのか?を考えていかねばならないのですが、色々な事が動いた8月でありました。まぁこれだけ社会も動いている中ですから、当たり前なのかもしれませんね。それに続いての新しい動きもこの9月からでてくるはずですし(すでに様々な新しい動きもでておりまして)想像するとワクワクしてまります。今月も気持ちを入れ替えて一生懸命頑張ります。皆様よろしくお願いいたします。

なんだか、終わっちゃいましけど、今日はここから。

和歌山市太田のF様家。棟上げが終わって1週間とちょいと。屋根の下地(=野地)が出来て、お家の外観の形が姿を現してきています。

これは先週末の野地板を張っている所ですが、ここでピン!とくる方がいらしたら、凄い!

屋根下地の野地板。普通は合板でありまして、世の中のお家のおそらく99パーセントはそうですが、弊社がよくする手法が化粧野地。このように野地板を外部に見せてしまう(その下の垂木も)和に多い手法です。綺麗な木、腐りに強い木を選んで、綺麗に削って打つわけですから、後から見えなくなる合板パターンとは違って、手間もたっぷりかかります。けれど風情もあって私たちは大好きな仕上げの一つです(もちろん屋根裏を真っ白く仕上げて美しく納めるやり方もありますよ)

その化粧野地板。

「厚み」です。

ごついの気づきません?普通は、12ミリとか15ミリ。こちらは33ミリもあります。これは火災に特別気を付ける地域のための防火措置の一つ。(詳しく言うと違うんですが分かりやすく。プロの方は流してくださいね(笑))

板を厚くして万一火がついても構造に影響させないというか、板が燃えぬけてしまわないように。「燃え代」設計という用語で語られるものです。

不謹慎かもしれませんが、ニュースなどで見る木造火災現場の映像。黒く焦げても骨格が残っているお家をみたことがあるはずです。これが鉄骨などではそうはいきません。鉄筋コンクリートも色々問題がありますが、火と構造の話はセンシティブですから、また別の機会にしっかりと。要は、木は厚みがあれば燃えても残るということ。京都の市街地の町屋などではこの「燃え代」という考え方を用いて、伝統建築と防火を両立させています。

色々難しいことはさておいて、室内からみたこの風景。屋根裏(正確には軒裏)の綺麗な木が見えると気持ち良いと思いません?

最後に野地となればでてくるルーフィング(防水紙)の貼り方の話。後々の雨漏りに直結する所ですから慎重に考えねばなりません。こういう屋根と壁がぶつかる所は最重要。2重にルーフィング貼ってる所がポイントでありまして、ルーフィング貼り方試験などがあれば必ず出そうな所です。

はい。今日は長々と「熱い」&「厚い」話でありました。ではまた次回。皆様よろしくお願い申し上げます。


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