野上のブログ

野地=noji

今日も暑いですね。大工さんや職人さんと話すと「8月はやっぱり7月とは暑さが違うね~」と言います。父や昔の職人さんは「お盆前が一番しんどい」と言ってました。今はお盆開けても9月もしんどいですが、今年の暑さは例年よりはほんのちょっとマシなのでしょうか?

とは言え、外はやっぱり「あつあつ」ですから、大工さん職人さんには感謝感謝であります。

皆様も歩いてたり車だったりで、街中の新築現場を見かけることは、ままあるかと思いますが、それもなかなか見ることのない屋根の上の写真から。

先々週棟上げをした和歌山市秋月のお家。棟上げ後の次の目標、屋根の下地=野地(のじ)工事へ進んでおります。

屋根を形作る木=垂木(たるき)を、桁などの横架材に打っていきます。

普通、この垂木がみえてくることはないのだけれど、弊社のお家の場合、これを外部の屋根の裏側で見せてしまうことが多いので(これを化粧垂木+化粧野地と呼びます)、美しく耐久性のある、吉野杉の赤身の節の少ないものを使っています。《垂木の上に見えている板が野地板。こちらも見えるから吉野杉赤身節ほぼなしの無垢板。》

また、手前から奥に向けて通っている梁(桁)から少し間をあけて、垂木の間に切り込まれている木が面戸板をよばれるもの。これも外壁が仕上がっても見えてくるものなのですが、どのように最終的に納まるかは後々のお楽しみに。

こちらは屋根の先端部分。破風垂木(はふたるき)と呼ばれる、屋根端の垂木と屋根先端の部材、アカ巻き(標準建築用語では、「広小舞」と「よど」ですかね)

先ほどの写真もそうだけど、ここもこのまま仕上がって見えてくる部分ですので、綺麗に納まるように慎重に丁寧に。今の普通のお家ではこの段階の工程は完成後隠れるところばかりだから、それほど緊張感もなく手早く進められる所でしょうが(棟上げで終わってしまう所もありますから)、良質な木をふんだんに見せる木の家・和の家では、最後の仕上がりと絡む所が多いので、緊張の仕事の連続です。

先ほどの垂木の上に板を打っていきます。この板を野地板と呼びますので、ここまでの工程が「野地工事」。そうしますと屋根材を打っていく載せていく下地ができたわけです。

そしてその上に

ルーフィングとよばれる防水紙を施工して、その上にいよいよ屋根材が施工されます(屋根施工のことを「屋根を葺く(ふく)」と呼びます)。ただ、先ほどの写真のように屋根がおれる部分や、屋根と壁がからむところなどは、後々の雨漏りの急所となるところですから、このルーフィングとまたお伝えします壁の防水紙などを、順序をきちんと、重ね代ときちんとして、適切に使って施工していく、かなり大切な工程なのですよ。

こうして野地まで工事が進むと、屋根の大きさが表れてきて、

お家の形がわかり、がぜんお家らしくなってまいりますね。

ではではまた次回!


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