金剛山に開く家【河内長野市】2015年
正面に金剛山地が見渡せるこの絶景。N様も惚れ込んだこの景色をどう活かすかが全てでありました。分譲地の一番上にある敷地のため、リビングのレベルから正面の金剛山を見ると、その間には何もありません。後はそちらに向かって自然と視線が向くように、そして開くように、バランスや高さに注意しながら窓を設けました。
そして、その外には「外のリビング」と呼べる大きなデッキ、それに軒下空間を設け、素晴らしい外部空間を内部に取り込んでいます。またそのデッキは大きく張り出し(越境はしていません)、デッキの上に座れば宙に浮いたような最高な気持ちよさも感じることができるようにも工夫しています。
薪ストーブが備わった越屋根の吹抜空間の広間、そして和室、キッチン、ロフト、離れ空間のこれまた風情のある浴室で構成されたお家は、床面積は決して広くはありませんが、調度良い暮らしを送るには十二分の広さです。
「雨上がりの金剛山が一番美しいんだよ」
季節で変わる、日々変わる、そして時間で変わる金剛山地の眺め、そして雨や風・光を心より楽しまれている、ていねいで静かなN様の暮らしを見るにつけ、「豊かな人生」とはこういう事を言うのだなと、心より感じました。
N様には大変可愛がっていただき、また私も大工職人も大変素晴らしい勉強をさせていただいたと感謝いたしております。
誠にありがとうございました。そして、これからも何卒よろしくお願い申し上げます。