愛着×直せる=長持ち。
皆様こんにちは。
今日のblogは「つくり手」からの「大彦日記シリーズ」。弊社がほぼ毎月発行しております(もう5年になりますね〜)情報誌「つくり手」の私、野上のコーナー=「大彦日記」から記事をビックアップしてお届けするシリーズ。「手抜き」というお声もありますが、過去の記事を懐かしんでお楽しみください。
こちらはつくり手の8号。約4年前の記事でございます。
では、
弊社は皆様のおかげで永く家づくり業を営んでおりますので、築年数の経ったお家も多く、100年近いお家も数軒ございます。上の写真のお家も、撮影当時で築90年の弊社の曽祖父が建てさせていただいたお家。残念ながら今は解体され青木松風庵さんになってしまいましたが、和歌山市の秋葉山の前に5年前(今なら10年前位)まで建っていました。
今回は「長持ちする」ということを考えてみたいと思います。
まずは、【①材料が吟味されていて、耐久性がある】という事が挙げられます。構造材や外壁材・屋根材など、基本的に「ものが良く」なければダメ。その中でもピンキリはありますが、『塗装や防腐剤を注入して初めて、ある程度の経年劣化に耐えられる』ということでは、そもそも「長持ちする」こととずれているのではと思います。
そして、【②直せる】こと。いくら物が良くとも、だんだんと経年劣化はします。特に降雨量が多く、じめじめする夏や台風などの自然災害の多い日本ではそれは顕著であります。
『穴があいても埋められる、ずれてきても削ることができる、汚れてきても洗える・削れる、腐った部分を取り除いて継げる』
こういうことのできるもの、すなわち自然のものを人の手で拵えたものは、直すことができ、永く使うことができます。《上の写真は以前特別に見学させていただいた京都御所の屋根の修復現場。黒くなっている木はもうすでに何百年と経っていますが、びくともしていません。腐りのある部分のみを新しい木に変えて、古い部分に継いでいます》
反対に大量生産の既製品の多くは直すことが出来ず基本的に交換です。また既製品はメーカーさんの都合で廃盤などにされれば取替部品もなく、小さな部品がないために全てを交換ということにもなります。
メーカー、ビルダーを初めとする既製品の集合体のお家が世の中の主役に変わってきてから、日本の家の平均寿命は30年もないという状況が生み出されてきました。純粋にメーカーさんのお家の耐用年数が30年もないとは思わないのですが、もしかしたら、直して永く住もうと思えない、継いでいこうとは思えないものがあるということなのでしょうか?
ですから、【③愛着をもって住まえる】ということこそが、長持ちの最大のポイントかもしれませんね。
愛着は年を経る毎に風情のでる素材と、手仕事です。造られている現場や作業場。一度ご覧になってみたいという方は、いつでもご案内差し上げますので、どうぞご連絡くださいませ。
以上です。
またまた忘れた頃に「つくり手シリーズ」まいります。
ホームページのリニューアルに伴い、ブログも新サイト内に統合しました。
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