野上のブログ

堺町家リノベーション!

海南市の築50年の日本家屋のリノベーション工事も工事が最終盤に入ってきています。上の写真でも分かるように左官壁などの仕上げ工事も終わり、かなり室内空間が出来上がってきました。

完全に手前味噌ですが、空間の出来も良く大工さん仕上げの職人さんの仕事も綺麗で、そこに以前の建物からの変わり方なども考え合わすと、「なかなか凄いじゃん!」と思ってしまいました。

なにせ出来上がってくるお家に行くのは楽しく、テンションが相当に上がります。

さて、今日はもう一つ嬉しいことが。今年初めに仕上がった堺の中心部にある、築100年の町家のリノベーション工事。先日プロのカメラマンさんに写真を撮影いただいていたのですが、そのデータが送られてきました!

古い町家の建具などを再利用しながらリノベーションした室内のこの雰囲気。お客様には大変喜んでいただいて嬉しい限りですが、皆様は如何でしょうか?この雰囲気を御気に召していただくかどうかはそれぞれのお好みをあるかとは思います。

ただ、お客様の気に入っていた昔の家の良い所を残しながら、耐震や断熱、動線など住みやすく使いやすくを考え合わせていく工事は、建物の状態・周囲との状況なども加わり、かなりの難工事でありました。

その辺も含めて何回かに分けてご紹介させていただきます。いつもこのWebサイトの施工例に載せることも考えると、あまり詳しく書いてもとは思うのだけれども、今回はそんなこと考えずにじっくりと。

こちらが施工前の状態。100年級の町家で内部は良い建物なのですが、外部は相当に傷んでいる状態でありました。堺市の中心部にほど近い古い建物ですから、近隣の建物とくっついている部分などもあり、また前面道路の狭さなどもあって、初めてお邪魔させてもらった際は、正直、どうしたものか?と考えこんでしまいました。

(隣の空き地は同じ様な建物だったのですが、解体して、こちらの工事の着工前に新しい建物が建ちました)

さらにそこに2018年の猛烈な台風の被害もあって、このお家の持ち主である(けれど長い間お住まいはしていなかった)お客様の親御様も解体するのか?とても悩んでおられました。

しかし、内部の仕事も良く、特にこの縁側などは風流で素晴らしいものでした。私も内部に入れてもらった際、吸い込まれるようにこの縁側に足が向きました。

そして、K様奥様のこの古い建物を残したいとの強い思いがあって、弊社の尾崎棟梁の「構造は大丈夫。中はええ建物やで!」との言葉も後押しになって、解体建て替えではなくリノベーションに進んでいきました。

そして、いきなり完成ですが、外部はこのように綺麗になりました。こちらは堺市の伝統的建築物の補助金も頂戴した建物です。そのための制約も多かったですが、おかげで堺市の町並み、堺市の皆様にもご協力できたことは大変嬉しいことでありました。

しかし、そのための役所だけでなく様々な所への折衝、工事にあたってご近隣へのお心遣い、工事車両・工事資材の置き場所のみならず、工事のための近隣空き地の確保など、もちろん弊社がさせていただいたわけですが、そこにはお客様のお母様多大なるご協力がありました。お母様がおられなければ着工さえできていなかったと思います。誠にありがとうございます。(また補助金の申請など、大変な資料作成や手続き折衝などが必要で、こちらは弊社設計の坂本さんが大変頑張ってくれました。ありがとうございました。)

先程の高塀の門をあけ、敷地にはいって少し歩くと玄関。室内はまた来週。お楽しみになさっていてください。


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