伽羅岩(きゃらいわ)?
この週末も有り難い事に忙しくさせていただきました。日も良かったので地鎮祭もあったり(K様誠におめでとうございます)打合せも多くさせていただき、とても充実した週末でございました。皆様ありがとうございます。
そんな合間の日曜の午後、弊社のお得意様=ホームオーナー様=以前お家を建てていただいたお客様にお誘いをいただき、古いお家とお庭を拝見させていただきました。
南海電鉄様が主催された「和歌の浦 旧福島嘉六郎邸における庭園の価値について」という会に参加させていただいたわけです。詳しくはまた弊社情報誌「つくり手」に書きたいと思っておりますが、和歌山市や和歌山大学さんも協力して、少人数の方々で一緒に勉強しましょうという会。
和歌山市の和歌浦の玉津島神社のすぐ近く。昭和4年に上棟されて立派なお家と庭の魅力を高名な作庭家の野村勘治先生と一緒に見て教えていただき、その後日本の庭の講義を受けられるという、何とも素晴らしい趣向でありました。
建物を正対させていてるのは、この伽羅岩。伽羅岩というのは荒れた岩肌が伽羅=香木に似ているからそう呼ばれる自然の岩のことで、これほどの大きさのものは珍しくかなり貴重だとおっしゃっておりました。不勉強のため伽羅岩も知りませんでしたが、この岩肌が面白いのは理解できますし、ここをメインにして、庭も建物も造っていこう!!というのもよく分かります。
先生は「この伽羅岩の前の余計な物(あとで建てた物とか木)全部とっちゃってほしいな〜」とおっしゃっていましたが、それもとてもよく分かりました。お家づくりや建築に携わっているものは全員そう思うのでは。。
その岩から生えたような松。これもすっごく面白くて素晴らしいですね。
逆から見ると、建物の向こうに、不老橋と和歌浦の景色が。当然こちらに対しても、建物は工夫を施して開いておりました。
建物は昭和4年の上棟ですから、私の祖父や曽祖父の代。こちらの近くにその当時に弊社で建てさせていただいたお家もありますから、当然祖父や曽祖父も知っていたのでしょうねぇ。「ええ仕事してるな〜」って見ていたのでしょうか。
建物の中も野村先生の解説付きで見学できて最高でした。私の大好きな桂離宮の写しをやっている部屋もあったり、当時の明かりと欄間の関係など、目から鱗のようなことを教えてもらったりで興奮しきりでした。本当に勉強になりました。素晴らしい時間でありました。ありがとうございました。
しかし、建物の状態は結構悪く、やっぱりお家は空き家になると駄目ですね。弊社のお家でもこちらのお家より古くて現役もたくさんありますが、住んでくれていればお家は元気です(もしくはたまに開けるとか)。僕らはお家を建てる者だから、お家の管理状況が悪くて傷んでいるお家を見ると、やっぱり悲しくなってしまいます。
直せば蘇るでしょうが、かなりかかるでしょうねぇ〜。庭もですからねぇ。しっかり直せば和歌山市民の誇るべき文化となるものだとは確信しますが、どうでしょうか。
あまり書いちゃうと、情報誌で書くことがなくなっちゃうのでこの辺にしておきますが、かの有名な東京の六義園がこの庭と建物のある「和歌浦」をモデルに作られていたなんて事も教えてもらいました。
参加されていた方は皆様御存知だったようですが、私全く知りませんでした。それ以外にも和歌山の文化のことでも知らないことばかりで。。。私歴史は好きな方ですし、まあまあ知っているなんて思ってたのですが、全くダメです。これは、ちょっと真剣に和歌山の歴史や文化を学ばないとです。家の近くの図書館も新しくなったし、時間を見つけてお勉強にいってこようかと思います。
それでは今週も皆様よろしくお願い申し上げます。
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