ぴったり!(木製引戸、手掛け桟、木の扉、引戸)
前回に引き続き、印南町のK様家より。
大工さんの工事も最終盤にかかりますと、お家のドアや引戸などの木の建具を削って入れていきます。(これを「吊りこみ」とか「切込み」と呼びます)メーカーさんの既製品のビニルシート貼りの建具ならこういう作業は要らないので、「建具」を入れる作業があるのは、手づくり木の家の「つくり手」ならではと言えるでしょうか。
そんな建具の引戸。
普通は、上の写真の様に全開になると、壁にぴったりと納まります。
はい。こちらの写真でも、左の壁の所にも右の壁の所にも、よく見ると建具がぴたっと納まっているのがお分かりになるかと思います。
普通はこのように納まるのですが、色々な理由で、ぴたっと壁の中に入り込まない場合があります。それを「引き残し」などと呼ぶのですが、
この引戸(まだガラスは入っていません)を引ききると、
ちょっと残っています。つまり壁より少し出た状態になっています。
さて、ここでこの建具。
こちらの引戸と同じ納まりで、うちでは「手掛け桟付き引戸」と呼んでいるのですが、引戸を引く際の手を引っ掛ける部分が金物ではなく、木に溝をついたもの。その溝を上から下までついていまして、子どもさんから大人までどこでも手を掛けられることと、これ自体でスッキリとしたデザインにすることを狙っております。
ここで、もう一度先ほどの写真に戻って、
段々言いたいことがお分かりなってきたでしょうか?
もうちょっとアップにすると。こう。
あれ?アップにするとよく分かりませんね。。
そうなです。「引き残し」が出てしまっているけど、そうならば、手を掛ける溝の所で「ぴったりと」とまるように考えているわけです。そうしますと、溝とぴたっと揃えば綺麗ですし、また手を掛ける際も、掛けやすくなりますからね。うちの設計が考えたなかなか気の利いた納まりで、現場で「やるな!」と嬉しくなりました。
とても細かい部分で、マニアックになりましたが、こういう所まで普段から考えまくっています。そして、こういう所の積み重ねが「ここちよいお家」につながるのですね。
今日はこの辺で。
弊社のGWは暦通りですので、よろしくお願いいたします。
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