有田川の山荘【有田川町】2022年
有田川町の小高い丘の上に建つ、40代ご夫婦とお子様お一人のお家です。お仕事とも関連して自然に囲まれた暮らしがお好きなご夫妻。さらには、お子様をのびのびと育てられることも念頭において、土地を探し続けた結果、出会ったこの土地。初めて敷地に足を運び、周囲を眺めた時にほとんどお家の骨格は決まっていたのかもしれません。
弊社はオーダーメイドの家づくりですから、全てのお家が引き渡しの際などに「やっぱり〇〇さんのお家だな」と改めて思わせられるのですが、こちらのお家は敷地とN様ご家族と、そしてお家の雰囲気・間取りが本当にピタリと符合していて、その意味でもとても上手く進んだ家づくりであったことの証明のように思います。
大きな土間をもつ広間空間は、いつもの弊社のお家よりも板張りの分量が多く、普通であれば山小屋っぽくなってしまう所ですが、そこはお客様のご要望を上手く整理しながら、設計スタッフの福井と坂本を初めとする大工さんたちでの工夫とセンスで、山小屋ではなくて「山荘」的な、野趣味はありながら品の良さを感じさせるお家になりました。
しかし、そこはやっぱりお客様の絶妙な思い切り!というか、気持ち良い潔さというか、ご理解とセンスがあって、こういうとっても気持ちの良い空間が出来上がっているわけです。
また、その思い切りの良さを許すのは、こういう抜群の眺めがあるという、敷地の力も大きいわけで、こうしてみると、「この敷地、そしてこのお客様でなければこういうお家はできない!」という設計の基本を強く感じさせてくれます。
山の上でも、都市部でも、それぞれの敷地の特徴や力はあるわけで、やっぱりそこを活かすのが設計の基本の基本であることを改めて強く思わされました。
そして、この敷地、このお家、こちらのお客様には薪ストーブが本当に良く似あいます。そしてそれが初めからお客様の外せないご要望としてあった所に、このお家に入った際に感じる「絶妙な良さ」があるのだと思います。
間取りは先ほどから説明してきた土間のある広間空間とキッチン、奥の寝室とウォークインクローゼット、水回りで構成された一階と子ども室空間のある2階で造られています。子ども室は1階の吹き抜けとつながっていてロフト的な楽しさのある空間です。
そしてこのお家の大きな魅力の一つがその2階からの見下ろし。力強い柱と梁の構造が、綺麗なデザインにもなっていて、大工さん設計ともどもお気に入りポイントです。
その2階に上がる階段も、階段下の書斎スペースにも、お客様のこだわりを活かした、設計のこだわりがたくさんつまっています。
N様ご家族に可愛がっていただき多大なご理解もいただき設計の福井も大工さんたちも、本当に精魂込めて家づくりに打ち込めました。誠にありがとうございます。定期点検などまたお邪魔するのが楽しみなお家が出来ました。少し狭い所もありますが、そこを抜け坂を上っていくと、綺麗な青空をバックにこのお家が見えてくる。なかなか素敵でちょっとたまりませんね。N様これからも何卒よろしくお願い申し上げます。 (設計担当 福井)