野上のブログ

外壁。だんかい。

今日明日と天気が大荒れになるそうですね。皆様お気をつけくださいませ。

さて、今日は外壁のお話。左官塗の外壁。ちょうど先日現場を見回った際に、3つの現場でそれぞれの段階で見られまして、分かりやすいので少し。

上の写真は有田郡A様家。どんな外壁でも同じですが(特殊なものはのぞきます)、これが下地の状態。柱の外にタイベックという湿気は通すけど、水と風はとめるというシートを張って、その上に外壁をとめる木を打った状態。この上に外壁を施工していきます。壁でも床でも天井でも、仕上げ材を施工する前の状態が下地。

「見えないところこそきっちりと!」どんな世界でも言われることで、皆様もそれぞれのご経験でよくお分かりだと思いますが、建築も当然同じ。仕上がりは下地の状態である程度決まっておりまして、仕上がりだけ上手く!とか、仕上げで誤魔化す!とかは出来ません。

また仕上がりだけでなく、永年の耐久性を担保しているのもここ。仕上げで完全に防水するからええのよ。なんて、結構建築の世界では見聞きする意見なのですが、それでは10年20年超えたら難しくなると私は思います。(雨多いですからね。日本は)だから、先ほどの下地の木ですが、弊社はここも良質な吉野桧を使っています。結構珍しいと思うのですが、外壁廻りの下地は万一の漏水も考えて腐りに強いものを使う必要があると思っています。

《内部の下地はそうではありません。実は下地はあまり強い木ならば、元気があるからこそ後々そったり曲がったり狂ったりして、壁の表面に悪さをします。だから、皆弱い・力のない木(腐りやすい)を使う理由もあるわけですね。だから外壁だって吉野桧で腐りには強いから良い!だけではなく、色んなことを考え併せて、また色々工夫をする必要があります。内部は腐りの心配がないから、弱い木でよろしいわけ》

説明長くなりましたね。。

こちらが、先ほどの下地状態から一歩進んだ状態。「ラス」という金網を張りました。左官仕上げの特有の段階ですね。

はい。そこから一段階進むとこう。和歌山市太田のA様家。ラスの上にモルタルを塗った段階。1回モルタルと塗ったあと、ひび割れ防止のグラスファイバーネットを伏せこんで2回目を塗った状態。セメント色のグレーになりました。この段階でしばらく乾かしたあと、

仕上げ塗を施し、仕上がった状態がこちらの和歌山市日前宮前のA様家。弊社では既製品の塗り壁材料を使わなくて、石灰を基本に地元の石や土や砂を混ぜたものをオリジナルでつくって塗っています。また最後に「掻く=かく」、「オリジナルかき落とし塗り」です。左官屋さんのご協力で出来上がった壁、左官壁=塗り壁の外壁となれば、最近はほぼ全てこの壁を採用しています。(仕上げ塗の模様は以前のBlog投稿、こちらから)

杉板との取り合わせも美しくて素敵です。

はい。それでは今週はこの辺で。皆様良い週末を。


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