野上のブログ

古町屋!進展?

この話題も3回目!?そうは簡単に決まらない利用方法ですが、実は結構色々な方にご覧いただいております。弊社のお客様で不動産のプロの方や古民家が大好きな方、伝統建築で著名な建築家の方、設計事務所の方々や、元「電通」のマーケティングのプロまで。

色々アドバイスもいただいてありがたい限りなのですが、先日、10名弱の方が一挙にお越しいただくことがありました。

市のまちづくり関係の部署の方で、親身にご相談にのってくださる方のお声がけで、その道のプロが。大学教授、不動産、旅館経営、飲食店経営、建築家、アートディレクターなどなど。地域の空き家利用や町のリノベーション、町おこし町づくり、などに実績のある方々です。

せっかくお越しいただけるので、永年閉まっていた雨戸などもあけてご覧いただきました。

2階もこのように開けると、魅力がグーンとましてきます。欄間やフスマ、建具など細部の仕事の素晴らしさも良く分かってきて、建築好きの方にはたまらない所がたくさんでてきます。

ガラス建具の隅の納まり。手が込んでいます。
細かい仕事だけじゃなくデザインも素晴らしい欄間
床の間の仕事。実は障子紙にも薄っすらと模様がついてて、風流。文化ですね。
丸くカーブさせた廊下の天井

こういうたまらない仕事をどんどん発見すると、この建築の抗しがたい魅力にはまってきます。

また、

2階の小間からのぞく坪庭など、空間的にも面白い所がたくさんでてきて、もうこりゃ、解体して土地を「駐車場とか資材置き場」などというのは無理ですね。こちらを建てさせてもらった曾祖父や祖父などはあの世でどう思っているでしょうか?喜んでくれていますかね?案外何とも思ってなかったりする気がしますがね。

ただ、実は、こういう所が「建築家やつくり手」のダメな所でもありまして、仕事や建物にも惚れてしまうというか、冷静に採算やビジネス面で考える前に、好きで判断しちゃうのですね。だから、建築家の建築的に素晴らしい建物が商業的に成功するかというと微妙な所があったりします。(もちろん例外もたくさんありますが)

さて、色々とありがたいアドバイスを頂戴して感謝感謝なのでありますが、結局は決断が全て。まぁ、慌てて何とかしないといけない必要はありませんので、ゆっくり考えてまいります。

しかし、90年以上経っても、見学いただいた人の心を掴む建物。やっぱり建築・建物には凄い魅力と力があるんだなとしみじみ。そもそも、純粋に90年以上しっかりともっているというのがまずは大したことですし(今日の写真は全て90年間からそのまま)、今でも通用するデザインや空間構成に、あらためて曾祖父や祖父を尊敬です。

精進あるのみですね。


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